鼻づまりがあるとCPAPは続けにくい?アレルギー性鼻炎との関係
「鼻が詰まっているとCPAPがつらい」「花粉の季節はとくに使いにくい」という方へ。鼻づまりとCPAP治療の関係、アレルギー性鼻炎への対応を整理します。
「鼻が詰まっているとCPAPを着けるのがつらい」という悩みは、CPAP使用者の中でよく聞かれます。CPAPは鼻や口から空気を送り込む治療ですが、鼻づまりがあると空気の通りが悪くなり、圧迫感や不快感が増してしまいます。
鼻づまりの原因のひとつにアレルギー性鼻炎があります。ここでは鼻づまりとCPAP治療の関係、そしてアレルギー外来との連携について整理します。
なぜ鼻づまりがあるとCPAPが使いにくくなるのか
CPAP治療は、マスクを通して空気圧をかけることで、睡眠中に気道が塞がるのを防ぐ治療です。鼻から空気が通りにくい状態では、以下のような問題が起きやすくなります。
- 口呼吸になりやすくなる:鼻で呼吸できないため、口が開いてしまい、乾燥やリークの原因になる
- 圧迫感が増す:鼻が詰まった状態でCPAPの圧を受けると、息苦しさや不快感を感じやすくなる
- 治療効果が出にくくなる:口から空気が逃げてしまうと、気道を開いておく圧が安定しない
鼻づまりが続く状態では、CPAPを装着すること自体が不快になり、使用時間が短くなったり、途中で外してしまったりすることにつながります。
アレルギー性鼻炎がCPAPに与える影響
アレルギー性鼻炎(花粉症・ハウスダストアレルギーなど)があると、鼻粘膜が腫れて鼻づまりが慢性化したり、季節によって症状が悪化したりします。
花粉の季節になると「CPAPが急に使いにくくなった」という経験をお持ちの方も多いと思いますが、これはアレルギーによる鼻づまりが悪化しているためであることが多いです。
アレルギー性鼻炎の治療を適切に行うことで、鼻づまりが改善し、CPAPの使い心地が良くなる場合があります。
鼻づまりがあるときの対応策
アレルギー性鼻炎の治療を行う
抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などを用いたアレルギー性鼻炎の治療を行うことで、鼻粘膜の腫れが引き、鼻での呼吸がしやすくなります。アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)も選択肢のひとつです。
加湿設定を上げる
乾燥が鼻づまりや粘膜の炎症を悪化させることがあります。CPAPの加湿レベルを上げることで、鼻粘膜の乾燥を防ぎ、不快感が和らぐことがあります。
マスクのタイプを変える
鼻づまりがひどい時期は、フルフェイスマスク(鼻と口を覆うタイプ)に変えると、口呼吸になっても治療が維持できる場合があります。
点鼻薬の使用(短期間)
就寝前に医師の指示のもとで点鼻薬(血管収縮薬)を使用することで、一時的に鼻の通りをよくする方法もあります。ただし、この種の薬は連用すると逆に鼻づまりが悪化する(リバウンド)ことがあるため、医師の指示に従った使用が重要です。
アレルギー外来との連携
当院ではCPAP外来とアレルギー外来を併設しており、「CPAPが使いにくい」「鼻づまりが続いている」という方に対して、睡眠時無呼吸症候群とアレルギー性鼻炎の両方をまとめて診ることができます。
鼻づまりの改善によってCPAPが使いやすくなるケースは少なくありません。「花粉の季節だけCPAPがつらい」という方も、一度ご相談ください。
アレルギー外来のご予約
CPAPの使いにくさとアレルギー性鼻炎についてのご相談は、当院でオンラインでも対応できます。オンライン診療でのCPAP管理は、あらかじめ対面診療でCPAP療法による症状(眠気やいびきなど)の改善を確認していることが条件となります。まだ対面受診がお済みでない方は、まず対面診察からご案内します。
予約・相談へ →参考・出典
- 日本呼吸器学会『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン 2020』
- 日本循環器学会『2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン』
- Patil SP, et al. "Treatment of Adult Obstructive Sleep Apnea with Positive Airway Pressure: An American Academy of Sleep Medicine Clinical Practice Guideline." Journal of Clinical Sleep Medicine, 2019.
- Cai Y, Goldberg AN, Chang JL. "The Nose and Nasal Breathing in Sleep Apnea." Otolaryngologic Clinics of North America, 2020.
- 日本アレルギー学会『アレルギー総合ガイドライン 2022』
- 厚生労働省『医療広告ガイドライン』
