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CPAP治療はオンライン診療で続けられる?対象になるケースと注意点

CPAP治療はオンライン診療で続けられる?対象になるケースと注意点

毎回の通院が大変だけど、CPAPはやめたくないという方へ。オンライン診療でCPAP管理を続けられるのか、対象になるケースと注意点を整理します。

CPAP治療を続けていると、「通院が負担で続けにくい」と感じる場面が出てきます。仕事や家庭の都合で毎月の受診時間が取りにくい方にとって、オンライン診療でCPAPを管理できるかどうかは大きな関心事のひとつです。

ここでは、オンライン診療とCPAP管理の組み合わせについて、対象になりやすいケースと注意点を整理します。

オンライン診療でのCPAP管理は制度上整備されている

日本では、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の指導管理に情報通信機器を用いた診療の評価が設けられています。2018年に「遠隔モニタリング加算」が新設されて以降、改定のたびに関連する点数や算定要件が見直されており、令和8年度の改定でも在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の点数が見直されています。すべての患者が対面通院のみを求められるわけではありません。

ただし、オンライン診療の実施は厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に従って行われるもので、医師が患者の状態を確認したうえで、適切と判断した場合に行われます。「通院不要」ではなく、「対面診療と組み合わせながら活用できる」という理解が正確です。

オンライン再診が候補になりやすいケース

以下のような状況では、主治医と相談したうえでオンライン再診が選択肢に挙がることがあります。

確認項目オンライン再診の目安
CPAPの使用状況などのデータが問題ない状態で安定している
マスクの状態フィット感や副作用のトラブルが落ち着いている
自覚症状日中の眠気、夜間の目覚めなどが改善・安定している
体重・内服の変化体重の大きな変化や、新たな合併症・内服変更がない
かかりつけの実績「かかりつけ医」として、すでに対面診療で信頼関係が構築されている

これらの条件がそろっていても、最終的な判断は医師が行います。患者側から「オンライン再診を希望している」と伝えることで、相談のきっかけにはなります。

オンライン診療特有の4つのルール

厚生労働省の指針では、オンライン診療を実施するにあたり、次のようなルールが定められています。制度を正しく理解しておくと、当日戸惑うことが減ります。

① 診療計画への事前合意:オンライン診療を始める前に、医師と患者の間で「診療計画」を作成し、合意を得る必要があります。この計画には、オンライン診療の頻度、対面診療への切り替え条件、急変時の対応方針などが含まれます。

② 本人確認の徹底:オンライン診療のたびに、マイナンバーカードなどの身分確認書類を用いて本人確認を行う必要があります。

③ リアルタイムのビデオ通話が必須:映像と音声を相互にやり取りしながら状態を確認できる方法で行う必要があり、チャット(文字)や写真、録画動画のみでの診察は認められていません。

④ 初診での処方制限:仮に初診をオンラインで行う例外的なケースであっても、麻薬・向精神薬・睡眠薬などの処方は禁止されています。

オンライン診療で確認されること

オンライン再診では、主に以下のような点を確認します。

  • CPAP使用時間と使用日数
  • 残存AHI(残存無呼吸低呼吸指数)
  • マスク(空気漏れ)の程度
  • 日中の眠気・睡眠の質など自覚症状の変化
  • マスクの状態、乾燥・鼻づまりなどのトラブルの有無
  • 体重変化や服薬・健康状態の変化

多くのCPAP機器はクラウドやSDカードで使用データを確認できるため、遠隔でもデータに基づいた診察が可能です。さらに、遠隔モニタリングを組み合わせることで、受診と受診の間のトラブル(リークの増加や残存AHIの悪化など)に早期に気づける可能性があります。通院回数を減らしながらも、治療の質を維持しやすくなる点がオンライン診療の大きなメリットのひとつです。

対面診療が必要になる場面

オンライン診療はあくまで対面診療と組み合わせて行うものです。以下のような場合は、対面での受診が必要になることがあります。

ケース対面が必要になる理由
症状の悪化・変化がある状態を直接確認し、治療方針を再評価する必要があるため
治療圧の見直しが必要と医師が判断した場合圧設定の変更にあたり、対面での確認が必要になることがあるため
マスクのフィッティング調整が必要な場合実際に装着した状態で調整する必要があるため
新しい機器への変更が必要になった場合機器の説明や設定確認を対面で行うため
睡眠検査(や簡易検査)の再実施が必要な場合検査機器の受け渡しや結果説明のため
急激な体重増加(10%以上など)があった場合圧設定では無呼吸を抑えきれなくなっている可能性があり、再評価・再検査が必要になることがあるため

症状が安定していても、年に1回程度は対面での確認を組み合わせるのが基本的な運用です。オンライン診療中でも、体調の変化に気づいたら、次の受診を待たずに早めに申告することが大切です。

初診からオンライン診療はできる?

原則として、CPAP管理のオンライン診療は継続治療(再診)を前提としています。初診でCPAP治療を始める場合や、別の医療機関からの転院では、最初に対面での確認が必要になることがほとんどです。

当院では、初回は対面、2回目以降はオンラインで継続管理を行う体制で運営しています(保険診療の要件に基づく)。他院からのCPAP転院・オンライン継続フォローで相談できる内容もご確認いただけます。

費用の目安

オンライン診療で算定される在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2は、情報通信機器を用いた場合209点(3割負担で約627円)、対面の場合240点(3割負担で約720円)とされており(令和8年度診療報酬改定)、オンラインの方がやや低く設定されています。これらの点数は改定のたびに見直されるため目安であり、遠隔モニタリング加算の有無やお薬の処方箋料などにより、実際の総額は前後します。窓口負担は対面よりわずかに軽くなる傾向がありますが、医療機関によってはシステム利用料などの実費がかかる場合もあるため、詳細は各クリニックへ確認しましょう。それでも通院にかかる交通費や移動時間が節約できる点は、オンライン診療の実質的なメリットといえます。

よくある質問

Q. CPAP治療はずっとオンラインでできますか?

A. 初診は対面で受ける必要があります。その後、症状が安定していて医師が問題ないと判断した場合に限り、オンライン診療に切り替えて続けることができます。対面とオンラインを組み合わせて治療を続ける形です。

Q. 誰でもオンライン診療に切り替えることができますか?

A. 誰でもというわけではありません。CPAPを3か月以上継続し、順調に使用できている方などが対象になりやすい一方、機器に不具合があったり体調がすぐれない場合は対面受診が必要です。

Q. オンライン診療だと費用は高くなりますか?

A. 診察料は保険が適用され、対面よりもわずかに安くなる傾向があります。加えて通院の交通費や移動時間が不要になる点も実質的な負担軽減につながります。

当院のCPAP継続フォロー外来について

通院の負担を減らしながらCPAP治療を続けたい方は、当院のCPAP継続フォロー外来をご覧ください。初回のみ対面、2回目以降はオンラインで管理します。対面診療とオンライン診療を組み合わせた診療計画のもと、緊急時には対面受診先へご案内できる体制を整えています。

CPAP転院の受診対象を確認する →CPAP転院のやり方を5ステップで見る →
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療効果を保証するものではありません。 オンライン診療の可否は患者さんの状態や医師の判断によって異なります。個々の症状や治療方針については、担当医にご相談ください。
監修者の写真
監修
廣瀬 有紀子(ひろせ ゆきこ)
耳鼻咽喉科専門医・アレルギー専門医・日本医師会認定産業医
信州大学医学部医学科卒業。東京慈恵医科大学付属病院 耳鼻咽喉科ほか都内医療機関に勤務。日本睡眠学会、日本アレルギー学会、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会、日本口腔・咽頭科学会 所属。
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