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CPAP・睡眠時無呼吸症候群

CPAPの副作用と対処法|よくある7つの不快症状を解決する

CPAPの副作用と対処法|よくある7つの不快症状を解決する

「CPAPを始めてから体に変な症状が出るようになった」という方へ。CPAPによく見られる不快症状を7つ挙げ、それぞれの原因と対処法を整理します。

CPAPはSASの治療において有効な方法ですが、使い始めてしばらくすると「以前はなかった症状が出てきた」と感じる方がいます。

大切なのは、CPAPの「副作用」とされる症状の多くは、機器の設定・マスクのフィット・使い方を見直すことで改善できるということです。「仕方がない」と放置せず、ひとつひとつ確認してみましょう。

1. 鼻・口・喉の乾燥感

症状:起床時に口の中や喉がカラカラ、鼻の奥が痛い、鼻血が出ることがある

主な原因

  • 加湿設定が低すぎる
  • 口が開いて口呼吸になっている(ネーザルマスク・ピローマスクの場合)
  • 室内が乾燥している

対処法:加湿器(ヒューミディファイア)の設定を1段階ずつ上げてみましょう(例:設定2→3→4)。冬場は室内の加湿も合わせて行うと効果的です。口が開いてしまう場合は、チンストラップで顎を固定するか、フルフェイスマスクへの変更を検討しましょう。

2. 腹部膨満感・ゲップ・お腹が張る感じ(空気嚥下症)

症状:朝起きたときにお腹が張っている、ゲップが多い、胃が重い

主な原因:CPAPの送気圧が高すぎると、空気が食道・胃に入ってしまうことがあります(空気嚥下症・aerophagia)。仰向けで寝ているときや、飲み込む際の姿勢によって起きやすいです。

対処法:CPAP機器の設定圧が適切かどうかを確認する必要があります。圧が高すぎる場合は担当医に相談して調整してもらいましょう。「ランプ機能(最初は低圧から始まり徐々に設定圧まで上がる機能)」を使うことで症状が和らぐ場合があります。自動圧調整(APAP)モードで使用している場合、ログデータで最高到達圧を確認してみましょう。

3. マスクの跡が残る・肌荒れ・圧迫感

症状:起床後も顔にマスクの跡がくっきり残る、接触部位が赤くなる、にきびや肌荒れが続く

主な原因:マスクのサイズが合っていない、ヘッドギアの締めすぎ、マスク素材(シリコン)との肌トラブル、マスクや顔の衛生管理不足

対処法:マスクのサイズを見直し、ヘッドギアの締め付けを「指1本分の余裕」程度に緩めましょう。跡が1時間以上残る場合は締めすぎです。肌荒れが続く場合は、マスクと肌の間にインターフェースパッド(マスクライナー)を挟む方法が効果的なことがあります。マスクとパーツは毎日水洗いすることで皮脂・汚れによるトラブルを防げます。

4. 頭痛(起床時の頭痛)

症状:CPAPを使い始めてから朝起きたときに頭痛がするようになった

主な原因のパターン

  • CO₂の貯留:マスクのリーク量が少なすぎる、または呼気再呼吸が起きている場合
  • 圧が高すぎる:必要以上の圧が継続的にかかっている場合
  • 脱水:乾燥によって水分が失われ、頭痛が生じるケース
  • SASが改善していない:CPAPの効果が十分でなく、低酸素が続いている場合

対処法:原因によって対処が異なります。まずはCPAPのデータ(残存AHI・リーク・使用圧)を確認し、担当医に相談しましょう。排気孔が詰まっていないか、マスクの状態も確認してください。

5. 結膜炎(目が充血する・目やにが増える)

症状:CPAPを使い始めてから目が充血する、朝起きたら目やにが多い

主な原因:マスクの隙間から空気が漏れ、その漏れ出た風が目に当たることで目が乾燥・刺激されます。特にネーザルマスクの上部から空気が漏れると、目に直接風が当たりやすいです。

対処法:リーク(空気漏れ)を減らすことが最優先です。マスクのサイズを見直し、ヘッドギアを適切に調整しましょう。どうしても目への風が防げない場合は、リーク量が少ないタイプのマスクへの変更が選択肢になります。

6. 耳の詰まり感・中耳炎のような痛み

症状:CPAPを使い始めてから耳が詰まった感じがする、耳の奥に違和感や痛みがある

主な原因:CPAPの圧が高い場合、鼻の奥から耳管を通じて中耳に圧がかかることがあります。鼻づまりがある状態でCPAPを使うと、圧の逃げ場がなくなり耳に負担がかかることがあります。

対処法:鼻が詰まっている場合はまず鼻の治療を行い、通気性を確保することが大切です。設定圧が高すぎる場合は担当医に相談して調整を依頼しましょう。症状が強い・長引く場合は耳鼻科への受診も必要です。

7. 閉塞感・パニック感(マスクをつけていられない)

症状:マスクをつけると息が苦しい、閉塞感でパニックになりそう、取り外してしまう

主な原因:CPAPのマスクは最初は慣れない異物感があります。特に閉所・圧迫への過敏がある方や、不安が強い方に起きやすいです。圧が高すぎると呼気が出しにくくなり、「息が詰まる感覚」が生じます。

対処法:まず「慣れる時間」を作ることが大切です。就寝前に動画を見たり本を読んだりしながらマスクをつけて過ごす練習から始め、眠れなくても外さないことを目標にしましょう。圧の問題であれば、「EPR(呼気圧リリーフ)」や「Ramp機能」を有効化することで楽になることが多いです。どうしてもフルマスクに慣れない場合は、ピローマスクへの変更が解決策になることもあります。

「副作用」が続く場合はクリニックへ

上記のどの症状も、「少し不快だが我慢できる」程度であれば一時的なものが多いです。しかし、2〜4週間経っても改善しない・悪化している場合は、機器の設定やマスクタイプの変更が必要なサインです。我慢して使い続けることは、CPAP治療の継続率を下げるだけでなく、治療効果にも影響します。早めに担当クリニックまたは機器管理会社のスタッフに伝えることが、治療を長く続けるための一番の近道です。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療効果を保証するものではありません。個々の症状や治療方針については、担当医にご相談ください。
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監修
廣瀬 有紀子(ひろせ ゆきこ)
耳鼻咽喉科専門医・アレルギー専門医
信州大学医学部医学科卒業。東京慈恵医科大学付属病院 耳鼻咽喉科ほか都内医療機関に勤務。日本睡眠学会、日本アレルギー学会、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会、日本口腔・咽頭科学会 所属。
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