睡眠・アレルギーオンライン診療クリニック ロゴ
睡眠・アレルギー
オンライン診療クリニック
CPAP・睡眠時無呼吸症候群

マウスピースとCPAP、どちらを選ぶべきか|違い・効果・選択基準を整理

マウスピースとCPAP、どちらを選ぶべきか|違い・効果・選択基準を整理

「SASと診断されたが、マウスピースとCPAPどちらがいいか悩んでいる」という方へ。2つの治療法の違いと、どちらを選ぶべきかの判断基準を整理します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療として、CPAPとマウスピース(口腔内装置・OA)はどちらも保険適用のある標準的な治療法です。ただし、どちらが適しているかは患者さんの状態・生活スタイル・SASの重症度によって異なります。

「どちらでもいい」ではなく「自分にはどちらが向いているか」を理解したうえで選ぶことが、治療を長く続けるために重要です。

2つの治療法の仕組み

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

専用のマスクをつけて眠り、機器から圧をかけた空気を送り込むことで気道を広げ、無呼吸・低呼吸を防ぐ方法です。「常に気道を開けておく」という働きをします。適切に使用した場合の治療効果は高く、重症SASでもAHIを5以下に抑えられることが多いです。

マウスピース(口腔内装置・OA)

就寝中に装着するマウスピース(スポーツマウスガードとは別物)で、下顎を前方に引き出した状態を保つことで気道を物理的に広げます。機器や電源は不要で、装着するだけです。歯科医院で採型・製作します。

効果の違い

CPAP:適切な設定で使用した場合のAHI改善率は非常に高く、重症SASでも高い効果があります。使用中は確実に気道を維持できますが、使わなければ効果はゼロ(その夜だけの効果)です。

マウスピース:軽症〜中等症(AHI 5〜29)で有効性が高い一方、重症(AHI 30以上)では効果が十分でないケースがあります。CPAPと比較するとAHI改善の程度は劣ることが多いです。

研究では、軽症〜中等症のSASにおいてマウスピースはCPAPと同程度の血圧改善・日中眠気改善効果を示すことがあります。これはマウスピースが「CPAPより弱い」のではなく、「使い続けられるからこそ効く」という側面があるためです。

快適さ・利便性の違い

項目CPAPマウスピース
就寝中の装着感マスクで顔を覆う・送風音がある歯に装着するだけ・音なし
携帯性機器・電源が必要(旅行は荷物が増える)ケースに入れるだけ・どこでも使える
慣れるまでの期間数日〜数週間かかることがある比較的慣れやすい(個人差あり)
日常ケア毎日マスク・チューブを洗う毎日洗浄(ブラシで磨く程度)
パートナーへの影響送風音が気になる場合があるほぼなし

費用の違い

CPAP:機器はレンタル(購入不可・保険適用)で、月の自己負担目安は5,000〜7,500円(3割負担)。毎月の通院が必要です。

マウスピース:保険適用の場合、歯科での製作費の自己負担3割(3,000〜10,000円程度が目安)。定期的なメンテナンス費用が別途かかりますが、一度製作すれば数年は使用可能です(劣化したら再製作)。

長期的に見るとマウスピースのほうが月々の費用が低くなる場合もありますが、SASの定期管理(内科・睡眠専門外来での受診)は継続する必要があります。

どちらを選ぶべきか|判断の目安

マウスピースが向いているケース

  • SASの重症度が軽症〜中等症(AHI 5〜29)
  • CPAPのマスクに慣れられない・続けられない
  • 出張や旅行が多く、機器を持ち運ぶのが負担
  • パートナーに機器の音で迷惑をかけたくない
  • 顎の骨格的な問題(下顎後退)が主な原因として指摘されている
  • 鼻づまりがひどく、CPAPをうまく使えない

CPAPが向いているケース

  • SASの重症度が中等症〜重症(AHI 20以上)
  • 高血圧・心疾患などの合併症がある
  • マウスピースを試したが効果不十分だった
  • 歯・歯ぐき・顎関節に問題があってマウスピースが使えない
  • AHIを確実にコントロールしたい

マウスピースのデメリットも知っておく

顎関節・歯へのダメージ:下顎を前方に引き出す構造上、長期使用によって顎関節の痛み・噛み合わせの変化・歯の移動が起きることがあります。使用中に顎の痛みが出た場合は歯科医師に相談が必要です。

重症SASには不十分な場合がある:AHIが30以上の重症例では、マウスピースだけではAHIを十分に下げられないことがあります。「気持ちよく眠れた」という感覚があっても、低酸素が続いている可能性があります。

効果の確認が必要:マウスピース装着時の効果を確認するには、再度の睡眠検査が推奨されます。担当医と相談してフォローアップの検査を行いましょう。

CPAPからマウスピースへの切り替えを考えている方へ

「CPAPをずっと使ってきたが、もうマウスピースに切り替えたい」という場合、以下を確認する必要があります。

  • 現在のAHIの値(重症度)
  • 合併症の有無(高血圧・心疾患がある場合はCPAPが推奨される)
  • マウスピースで十分な効果が得られるかどうかの試験

自己判断でCPAPをやめてマウスピースに切り替えると、効果が不十分なまま治療が続いてしまうリスクがあります。切り替えを希望する場合は、担当医に相談してから進めましょう。

マウスピースとCPAPについてのご相談はこちら

当院では治療法の選択についてもご相談を受け付けています。「CPAPが続かない」「どちらが自分に合っているか聞きたい」という方はまずお気軽にご相談ください。

診療・相談のご予約はこちら →
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療効果を保証するものではありません。治療法の選択・変更は必ず担当医にご相談ください。
監修者の写真
監修
廣瀬 有紀子(ひろせ ゆきこ)
耳鼻咽喉科専門医・アレルギー専門医
信州大学医学部医学科卒業。東京慈恵医科大学付属病院 耳鼻咽喉科ほか都内医療機関に勤務。日本睡眠学会、日本アレルギー学会、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会、日本口腔・咽頭科学会 所属。
オンライン診療のご予約

CPAP継続フォローやアレルギー外来について、オンラインでご相談いただけます。

予約・相談へ