睡眠・アレルギーオンライン診療クリニック ロゴ
睡眠・アレルギー
オンライン診療クリニック
CPAP・睡眠時無呼吸症候群

隣で寝ている家族の呼吸が止まっている気がする時、どうすればいいか

配偶者やパートナーの睡眠中の呼吸が止まっているように見えて不安になった方へ。緊急性を確認する基準、本人への伝え方、一緒に受診する場合の流れを整理します。

隣で眠っているパートナーや家族の呼吸が、いびきの合間に止まっているように見えて不安になった——そんな経験をきっかけにこのページにたどり着いた方も多いと思います。この記事では、家族として今夜どう対応すればよいか、緊急に対応が必要な状態と、慢性的ないびき・無呼吸の可能性として落ち着いて相談すればよい状態をどう区別するか、そして本人に伝えるときの言い方や、一緒に受診する場合の流れを整理します。まず大切な前提として、家族が目撃した「呼吸が止まって見えた」という事実だけで、病名や重症度を決めることはできません。目撃は受診を検討するきっかけとして重要な情報ですが、診断は医師と検査が行うものです。

まず知っておきたいこと:目撃だけでは病名は決まらない

睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、いびきの後に呼吸が止まったように静かになる時間があり、その後大きないびきやあえぐような呼吸で再開する、というパターンが見られることがあります。日本呼吸器学会も、いびき・無呼吸・日中の眠気をSASの主な症状として挙げています。本人は睡眠中の出来事を覚えていないことが多いため、同居する家族の観察は、受診のきっかけとして大きな意味を持ちます。

一方で、家族が見た「止まっているように見えた」ことだけで、SASかどうか、どの程度重いのかを判定することはできません。寝返りで音が小さくなっただけの場合や、観察する角度によって呼吸の動きが見えにくかっただけの場合もあります。家庭で秒数を正確に測って重症度を判定しようとする必要はありません。「繰り返し起きているか」「あえぎを伴うか」「日中の様子はどうか」を落ち着いて確認し、医療者に伝える材料として記録することが大切です。

救急要請を検討すべき状態と、慢性的ないびき・無呼吸の相談は別問題

この記事のテーマである「睡眠中のいびき・呼吸停止らしい様子」への対応と、生命にかかわる緊急事態への対応は、明確に分けて考える必要があります。次の表を目安にしてください。

状況確認すること推奨される対応
起きている時に強い息苦しさ、胸痛、意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い、顔色が著しく悪い普段と明らかに違う急性の症状かどうか通常の睡眠外来の予約を待たず、地域の救急相談・救急要請を検討する
夜間に呼吸停止らしい静かな時間とあえぎを繰り返す。翌日も眠気が強い繰り返しの頻度、日中の眠気、運転時の危険性早めに睡眠に関する医療機関へ相談する
いびきは大きいが、呼吸停止があるかどうかははっきりしないいつからか、毎晩か、飲酒・鼻炎・寝る姿勢との関連数日〜1、2週間ほど様子を記録し、続くようなら相談する
一度だけ短く止まって見えたが、本人は日中も元気そう繰り返すかどうか、既往歴や服薬翌朝の様子を確認し、繰り返すようなら記録を続けて相談する

この表は、家族に医学的な判断を委ねるためのものではありません。「今すぐ救急対応が必要なほど普段と違うか」「繰り返す睡眠中の呼吸異常として落ち着いて相談すればよいか」を整理するための目安です。判断に迷う場合は、地域の救急相談窓口に相談することもできます。なお、睡眠中の呼吸停止らしい様子への対応と、心停止など生命に直結する緊急事態への対応は異なるものです。この記事はいびき・無呼吸に関する一般的な情報提供を目的としており、心肺蘇生などの緊急対応の手順を示すものではありません。緊急性が疑われる場合は、地域の救命講習や指令員の指示に従ってください。

その場でできること・避けたいこと

本人が普段どおり眠っており、呼びかけに反応し、起きれば会話ができ、強い息苦しさや胸痛がない場合には、家族がその場で診断を完結させる必要はありません。無理に強く揺さぶったり、口の中に手を入れたりせず、顔色や胸・お腹の動き、あえぐような呼吸の有無を落ち着いて確認しましょう。可能であれば、翌朝に本人の様子や日中の眠気も聞いてみてください。

避けたい対応としては、顎を無理に押す、鼻や口をふさぐ、市販の口テープを本人の同意なく貼る、処方されている薬を家族の判断で中止させる、といった行為が挙げられます。これらは睡眠中の呼吸異常の解決にも診断にもならず、思わぬ負担やリスクにつながる可能性があります。気になる様子があれば、次のセクションのように記録し、医療機関への相談につなげてください。

家族が記録しておくと役立つ情報

受診時には、家族の観察を事実として具体的に伝えることが役立ちます。以下のような項目をメモしておくと、問診がスムーズに進みます。

項目記録例
始まった時期「3か月前から」「旅行先で初めて気づいた」
夜の様子「静かになった後に大きくあえぐ」「仰向けで増える」
頻度「週に数回」「毎晩」「飲酒時のみ目立つ」
本人の自覚息苦しさ、中途覚醒、口の渇き、起床時の頭痛、夜間頻尿
昼の様子居眠り、集中力低下、運転中の眠気
背景体重の変化、飲酒、鼻炎、服薬、持病

スマートフォンの録音や動画は、いつ・どのくらいの音があったかを振り返る参考にはなりますが、無呼吸や酸素低下、睡眠の分断を医療用検査と同じ精度で判定するものではありません。撮影・録音をする場合は、本人の同意とプライバシーに配慮し、あくまで参考情報として扱いましょう。

本人にどう伝えるか

いびきや呼吸の話は、本人にとって指摘されると気まずく感じやすいテーマです。「うるさい」「眠れない」とだけ伝えると、責められたと受け取られてしまうことがあります。目的は騒音の苦情ではなく、本人の体調と安全を確認することだと伝わるように話しましょう。たとえば「昨日、呼吸が止まったように見えて心配だった」「大きく息を吸い直すことが何度かあった」「最近、日中も眠そうなのが気になっている」というように、観察した事実と心配な気持ちを分けて伝える方法があります。

「あなたは無呼吸症だ」と断定したり、「検査を受けないと危ない」と不安をあおるような伝え方は避けましょう。本人が受診をためらう場合は、まずオンラインでの相談から始められることを伝えると、ハードルを下げられることがあります。それでも本人が拒否する場合は、無理に説得を続けるよりも、日中の眠気や体調の変化があれば改めて声をかける、家族自身の睡眠への影響も含めて率直に伝える、といった対応も選択肢になります。

一緒に受診する場合の流れ

本人が相談に前向きな場合は、オンラインでの初診に家族が同席し、目撃した様子を直接伝えることもできます。問診では、いびきの経過、呼吸停止らしい様子の頻度、日中の眠気、既往歴や服薬状況などを共有し、医師が自宅でできる検査の要否を判断します。受診の具体的な流れ(初診から検査、結果説明までの各ステップ)については受診の流れ|オンライン初診〜検査〜結果説明までのステップ全体像で詳しく解説しています。

ただし、オンライン診療は緊急対応の代わりにはなりません。医師が対面での診察が必要と判断した場合や、重い合併症の疑いがある場合は、対面診療や専門的な医療機関への紹介が案内されます。安定した状態であれば、まず自宅と自宅でできる検査から相談を始められる、という選択肢があることを知っておくと、受診への心理的なハードルを下げやすくなります。

よくある質問

Q. 何秒止まっていたら受診すべきですか。

A. 家庭で正確な秒数を測って受診の可否を決める必要はありません。繰り返す静かな時間とあえぎ、日中の眠気などをあわせて医療者に伝えてください。起きている時の強い息苦しさや反応の鈍さがある場合は、秒数を測らず緊急の相談を検討してください。

Q. いびきが止まったので良くなったと考えてよいですか。

A. 寝返りなどで音が静かになることもありますが、静かな時間のあとに苦しそうな呼吸が繰り返されるようであれば、無呼吸を含めた評価が望ましい場合があります。音が止まっただけで安心とは言い切れません。

Q. 動画を撮れば、それで診断してもらえますか。

A. 動画は問診の際の参考資料にはなりますが、診断や重症度の判定には医療用の検査が必要です。撮影する場合は本人の同意に配慮してください。

Q. 本人が「元気だから大丈夫」と受診を嫌がります。どうすればよいですか。

A. 責める言い方を避け、見た事実と心配な気持ちを伝えることから始めてみてください。日中の眠気や体調の変化があれば、改めて相談を提案するタイミングになります。忙しい場合はオンラインでの相談から始められることも伝えてみましょう。

Q. 子どものいびきや呼吸停止らしい様子も同じように考えてよいですか。

A. この記事は成人を対象にした一般的な情報です。子どものいびきや無呼吸らしい症状は、扁桃やアデノイドの状態など成人と異なる背景が関わることがあるため、小児科や耳鼻咽喉科など、子どもの診療に対応した医療機関へのご相談をおすすめします。

いびき・日中の眠気が気になる方へ

オンラインでの初診相談から、ご自宅でできる検査までを承っています。対面が必要になるのはCPAP導入が必要と判明した場合のみで、その際は新宿駅から徒歩6分の新宿院でご案内します。安定した状態でのご相談が対象で、起きている時の強い息苦しさなど急性の症状がある場合は、まず地域の救急相談をご利用ください。

いびき・日中の眠気 専門外来を見る →
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の方の症状の診断や重症度、緊急対応の要否を判断するものではありません。起きている時の強い息苦しさ・胸痛・意識の異常など急性の症状がある場合は、本記事の内容にかかわらず地域の救急相談・救急医療をご利用ください。
監修者の写真
監修
廣瀬 有紀子(ひろせ ゆきこ)
耳鼻咽喉科専門医・アレルギー専門医・日本医師会認定産業医
信州大学医学部医学科卒業。東京慈恵医科大学付属病院 耳鼻咽喉科ほか都内医療機関に勤務。日本睡眠学会、日本アレルギー学会、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会、日本口腔・咽頭科学会 所属。
詳しいプロフィールを見る ›
いびき・日中の眠気が気になる方へ

まだCPAPを始めていない方向けの「いびき・日中の眠気 専門外来」もございます。

専門外来について見る